|
肝臓病
肝疾患は、日本人の死因の中では第8位ですが、生活習慣病だけについて言えば癌・心臓病・脳卒中に次いで第4位を占めています。
また、癌だけをとりあげると、男性では胃ガン・肺ガンについで肝臓癌が第3位を占めています。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、病気肝細胞が痛んでも気がつくのが遅く、ウィルス性肝炎に感染しても気が付かずにいることなどから、最近では増加傾向にあり「21世紀の国民病」とまで言われています。
胃や腸で消化された栄養分は、消化管壁に巡らされた「門脈」によって吸収され肝臓へ送られます。
肝臓では、それを分解・合成・貯蔵して体が利用しやすい形で随時供給しています。
そのほか、脂肪の消化吸収に欠かせない胆汁の生成・アルコールや薬の代謝・解毒をおこなうなど人体の中で、まさに「化学工場」としての働きをしているのです。
<三代栄養素の肝臓での代謝>
糖質−−ブドウ糖をグリコーゲンの形で貯え、必要に応じてブドウ糖に変えて血液に送り出す働きがあります。
また、アミノ酸や脂肪から糖をつくります。
蛋白質−−アミノ酸を必要な形の蛋白質に再合成するとともに、ホルモンや酵素の合成もします。
脂質−−一部は肝臓に貯え、そのほかは血液中に送り出し、全身の脂肪組織へと運びます。
肝臓病の主な原因となるのは、「ウィルス」「アルコール」「薬」の3つです。
肝臓病の代表は「アルコールによる肝炎」だと誤解している人もいますが、実は原因の多くは、A型からあまり知られていないG型まである「肝炎ウィルス」によります。
特に、C型慢性肝炎の患者は日本だけでも、120万人も存在すると考えられています。
慢性肝炎は 以前は不治の病と言われていましたが、「インターフェロン」療法などにより治る時代になってきています。
しかし、一方では「アルコール」による肝障害が増えているのも事実で、アルコール性肝疾患は「脂肪肝」によってはじまり、さらに多量に飲み続けると「アルコール性肝炎」・「肝硬変」へと進展します。
血液検査の正常値
?−GTP 0〜40単位
GOT 8〜40K単位
GPT 5〜35K単位
ALP 2.7〜10KA単位
上記は、どれも肝臓にある酵素で、数値が異常に上昇しているときは 肝臓の機能低下を示し詳しい検査が必要となります。
この中で「?−GTP」値は、アルコール摂取量と比例して増加します。
これが異常値で、かつ「GOT・GPT」値も異常であれば「アルコール性肝炎」も考えられます。
アルコール性肝疾患と脂肪肝
日常的に、日本酒で4合・ビールで大瓶4本以上を毎日飲み続ける人に、「脂肪肝」は多くみられます。
この脂肪肝とは、脂肪の取りすぎで起こるような印象を持ちますが、実はアルコールの多飲で容易に起こってしまいます。
脂肪肝が起きるような食生活をしていると肝臓だけでなく、全身に脂肪が溜まることが問題になります。
それも皮下脂肪だけならともかく、内臓にも脂肪がつくとなると動脈硬化性疾患・高脂血症・高血圧・糖尿病などへの発展危険度を高めてしまいます。
脂肪肝は、生活習慣病の危険因子になるというわけです。
肝臓が一晩に代謝できるアルコール量には限度があり、それを超えてしまうと肝障害を引き起こします。
肝臓は、回復の速い臓器なので、休肝日を儲け肝臓をいたわることが肝疾患の予防となります。
また、過食や運動不足による肥満が原因となる脂肪肝も急上昇していて、これは食生活のアンバランスから起こると言えます。
中でも、果糖・蔗糖の摂取過多は確実に脂肪肝を発生させます。これらは非常に吸収が良くて、肝臓で脂肪として貯えられるからです。
果糖とは、果物に含まれる糖分なので、脂肪肝の心配のある人にとっては果物の摂りすぎや、果汁100%ジュースの多飲も注意が必要と言えます。
果物は、ビタミンCなどのビタミンや食物繊維が豊富なのですが、この場合はほどほどにしておきたいものです。
ウィルス性肝炎
ウィルスによって起こる感染症の一種で、ウィルスの種類によって、A型・B型・C型肝炎などという名前がついていて、症状によって、急性のものと慢性のものに分けられます。
急性肝炎は一般に良性の病気で、発病から2〜3ヶ月で回復します。
しかし、ごく一部に急性肝炎が悪化し、死に至る「劇症肝炎」がみられます。 ただでも肝臓が弱っているところへ、強力な薬品の投与でさらに肝臓に負担をかけるのは考えものです。
慢性肝炎は発病後6ヶ月以上炎症が続いているウィルス性肝炎です。
慢性肝炎になりやすいのはC型肝炎の人です。
それと、体内にB型・C型ウィルスを持っていながら発病していない「キャリア」と言われる人たちも含まれます。
慢性肝炎は、本人の自覚がないまま、何年、何十年もかけて肝硬変 さらには肝臓癌に進むこともあるのでしっかりとした管理が必要です。
薬剤起因性肝障害
主として風邪薬・痛み止め・抗生物質などが原因で起こります。
まれには、ビタミン剤・消化薬・アレルギー治療薬が原因となることもあります。
どんな場合も薬の服用は極力避け、必要なときは医者の処方に従って、指示された以上には決して飲まないようにしましょう。
肝臓の働きが悪くなると、糖質をはじめとして蛋白質・脂質の体内での代謝異常がおこるため、それを補うためにも十分な栄養素の確保が必要となります。
一日3食 朝食は必ず摂る
肝臓に必要な栄養を補うためには、一日に必要な栄養素を3食過不足なく摂ることが必要です。
一日を2食にしたり、間食(菓子・ジュース)ばかりでは肝臓に負担をかけ、栄養バランスを崩します。
特に栄養バランスがよく消化吸収のよい食品を中心に摂るようにしましょう。
それに加えて、加工食品の摂りすぎは、中に含まれる「防腐剤・着色料」などの添加物の解毒を肝臓がしているため、肝臓に過大な負担をかけることになるので注意しましょう。
栄養素をまんべんなく摂るためには、皿の数を増やし、主食・主菜・副菜を揃えるようにします。
それは糖質・蛋白質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維をまんべんなく摂ることへと繋がります。
マクロビオティックが勧める玄米食は、多くの栄養素を含み吸収もしやすく消化器官への負担が少なくて済みますのでぜひ試してみてください。
それに加えて、良質の蛋白質を摂ることが肝臓を守るために必要になります。
肝臓も肝臓内で働く酵素も蛋白質で出来ています。
消化吸収のよい良質の蛋白質(特にプロテインスコアの高い蛋白質)を摂ることが大切です。
卵・牛乳・肉類・魚介類などの動物性蛋白質と、大豆や大豆製品(豆腐・納豆など)・ごはんや豆類などの植物性蛋白質を両方、適度に取り入れる工夫が必要です。
消化しにくい食品は、調理の仕方を工夫することによって消化しやすく変えることが出来ます。
これらを十分摂ることは、必須アミノ酸を過不足なく確保することに繋がります。
肝臓病では、タンパク質の消費が増大し、また合成障害などで体内での蛋白質の生産や吸収も低下するため、体内で再構築が容易におこなわれる必須アミノ酸を摂る必要があります。
ビタミン・ミネラルを十分に摂る
肝臓は代謝活動の中心で、複雑で活発な活動をおこなっていて、大量のビタミン・ミネラルを代謝のために必要とします。
ビタミン・ミネラルの不足は、代謝障害は勿論、細胞の老化・肝臓の萎縮・再生不良につながります。
特に、糖質・脂肪の代謝に関係するビタミンB類を十分に摂ることは必要です。
また、B類と共にビタミンCは肝臓で解毒の働きを助けることに必要です。
またビタミンCは肝臓を襲うウィルス性肝炎・血清肝炎を防ぎ、回復させる働きも強いので、一日に必要な量よりたくさん摂って効果を示します。
脂溶性ビタミンのビタミンA・E・D・Kも必要なビタミンで、ビタミンAは肝臓の膜と細胞を保護しています。
不足は変性作用や発ガン物質の作用を受けやすくなります。
ビタミンEを摂ることは、肝臓の細胞や膜に代謝を妨げる過酸化物質が発生して肝臓が変性するのを防ぎます。
ビタミンD・Kの不足は、肝臓での代謝が滞り代謝異常を生じさせます。
ミネラルの中でも、亜鉛は活発な肝細胞の再生に必要です。
セレンは肝細胞が酸化されて壊れるのを防ぐ働きをします。
この二つのミネラルは、肝臓を弱らせる有害物質を抑える働きもします。 これらのビタミン・ミネラル類は先の栄養素とともに、医薬品の服用より優先させるべき重要な要素です。
肝臓病では吸収障害・利用障害をおこしているため、脂肪は控えるように言われてきました。
しかし脂肪は、1gで9kcalのエネルギーを産み、量が少なくても十分なカロリーが補えるという意味で重要で、糖質・蛋白質の代謝異常が起きたときには肝臓の負担を減らしてくれる役目も果たします。
脂肪は、総エネルギーの20〜25%を、一日で通常よりやや少な目の40〜50gくらい摂るようにします。
そして、それは植物性の油や魚油などの多価不飽和脂肪酸の多いもので摂るようにします。
ただし、この不飽和脂肪酸は同時に過酸化も受けやすいため、これは細胞障害・細胞機能障害に繋がるのでビタミンEも同時に摂るようにすることも必要です。
炭水化物を適度にとりいれる
糖質は、生活するエネルギー源として必要なものです。
中でも、ごはん・麺類・パンなどの炭水化物は適度に摂るようにします。(ご飯なら毎食軽く一杯くらい)
一日のエネルギーは標準体重を維持する程度とする量が望ましいので、糖質は、蛋白質・脂質とのバランスを考えて摂るようにします。
糖質食品の中でも、果物はビタミン確保のためにも一日100〜200gは必要ですが、菓子は余分なエネルギーとなるので、摂りすぎに注意が必要です。
肝臓病では、糖質の代謝異常により肝臓のグリコ−ゲンの減少が起こり、それを補うためにアミノ酸からの糖新生が増え筋肉の減少もみられることになります。
そのため、十分な蛋白質摂取と同時に、糖質の確保が必要となります
<栄養基準>
エネルギー−−標準体重を維持する程度
蛋白質−−1.0〜1.5g/kg/日
脂質−−40〜50g/日
糖質−−一日のエネルギーから蛋白質・脂質を差し引いた量
塩分を控える
生活習慣病の予防として、減塩食にすることは重要ですが、肝臓の病気の中でも、特に肝硬変の場合、塩分の制限が必要です。
肝硬変では、アミノ酸代謝異常が起こります。
この状態では、塩分・水分の過剰摂取が腹水をおこし、肝硬変の状態を悪くします。
このような状態では、日頃の塩分量をかなり控えめにすることが特に必要になります。
腹水のある場合は、水分の制限も必要です。
最近話題になっている、サジーやカンコウ草、ウコンなどを積極的、習慣的に飲むのも、肝臓障害の予防、回復に大いに役立ちます。
クルミンはウコン(特に秋ウコン)に多く含まれる黄色いもので、ターメリックとしてカレーのスパイスのように食品の着色料や香料としても利用されています。
「抗酸化作用がある」「肝臓によい」「発がんを抑制する」などといわれているように、現在、クルクミンにはさまざまな健康維持機能が期待できるとして、多くの科学的な研究が行われ注目されています。
さらに、摂取したクルクミンが更に強力な「抗酸化作用」や「代謝(=解毒)作用」などの機能をもつテトラヒドロクルクミンに変換されます。
コレステロールを材料として肝臓で合成される胆汁の主成分は胆汁酸です。
胆嚢に貯蔵濃縮された後に十二指腸に放出されます。
その機能は、植物由来の脂質を乳化やミセル化によって可溶化することにあり、胆石症などで胆嚢を摘出してしまうと、この機能が長期にわたり損なわれてしまいます。
胆汁酸は肝細胞内でコレステロールより生成され、胆道系を経て腸管内へ排泄された後、大部分は回腸末端で再吸収されて再び肝臓へ戻るという腸肝循環を繰り返します。
肝臓の働きは一言でいうと大きな「化学工場」で重さは1.0〜1.5kg。
この中では短時間で膨大な量の物質を変化させる化学反応が行われており、500を超える機能をもつ驚異的な能力を持った臓器です。
本来、肝臓をつくっている肝細胞は、壊れてもすぐに再生されます。
また肝臓は予備能力が高く、一部が壊れても、別な部分でカバーしてくれます。
そのため、病気になっても障害がかなり進まないと症状が現れにくいため、沈黙の臓器といわれています。
知らず知らずのうちに酷使して、肝臓を痛めつけていることに気づいていない人も多いのです。
肝臓の疲れと現代人の食生活
肝臓は全身に栄養を送り、全身の老廃物を処理しています。
日々休むことなく働き続けている臓器です。ですから、肝臓をいたわり休ませる心配りをしてあげないとオーバーヒートしてしまいます。
現代は、昔に比べると食品もかなり多彩で豊富になっています。(飽食時代)
インスタント食品や加工食品をたくさん食べる。(合成食品添加物を多く摂取)
アルコールを飲む機会が増えている。
ちょっとしたことで薬品に頼る。
ストレスを受けやすい社会生活。
肝臓がいくら優れた能力をもった「化学工場」でも毒物の処理能力を超えてはたまりません。
インドでは、生活習慣病である「脳梗塞」、「心筋梗塞」が米国人に比べ非常に少なく、アルツハイマー症は米国人の四分の一というデータがあるそうです。
インド人は多種にわたるカレーを食しますが、タンパク質を肉ではなく豆等から多く摂取しています。
それは、宗教上の理由や、もともとベジタリアンが多い為といわれています。
(例えば、ジャガイモとソヤビーンのカレーがかなり一般的に食されています。ソヤビーンは大豆の粉を丸めて乾燥させて作る乾物です。)
その食生活で、カレーのスパイスであるターメリック(=ウコン)、そして豆、大豆のレシチンを毎日豊富に摂取しています。
ターメリック(ウコン)には、非常に抗酸化力が強いクルクミンという有効成分があり、現在大変注目されております。
そのウコンはレシチンと一緒に摂ることにより、クルクミンの吸収率がよくなることが解ってきました。
このように、カレーと共に食する大豆は、クルクミンをレシチンによって、効率的に吸収し、肝臓を強化しているといえます。
化学工場といわれる大切な臓器(肝臓)を強化することが、インド人に生活習慣病が少ない要因ではないかと思われます。
ウコン(クルクミン)の健康効果には次のようなものがあげられます。
・肝臓の炎症を抑え、肝機能を強化
・抗酸化活性により、ガンや心臓病を予防する
・胃の消化力を高める
●肝機能強化
ウコンは主に肝機能を高める機能があり、特にクルクミンには胆汁分泌促進作用があり、体内の有害物質を取り除き血液の流れを良くする効果があります。
■ガジュツの効果は?
ガジュツには、ダイエット効果がある成分が含まれています。
●【アズレン】は、腸に溜まった老廃物を押し出し、短時間で排出します。
●【シネオール】は、余分なコレステロールを排出します。
ガジュツを摂ることで便秘が解消し、また体も温めて脂肪燃焼を助けてくれるので、ダイエット効果が期待できます。
また、血液をきれいにする。
老化防止、ガンの予防。毒素を排除する効果があるといわれています。
|