マクロビオティックに生きる
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骨粗しょう症

 ★骨粗鬆(しょう)症とは?
骨粗鬆症の「粗」とは”あらい”、「鬆」とは”す”という意味を示します。
つまり、骨の中身があらく「す」がとおったようにもろくなった状態を言うのです。
このような状態では、骨は非常に折れやすくなってしまいます。

骨粗鬆症で悩んでいる人は 全国で約1000万人いると推定され、特に中年以降の女性に多い病気です。
高齢になると、この病気が原因で腰痛や骨折を起こしやすくなり、「寝たきり」になる原因の2位は、その骨折がきっかけに起こると言われています。

★なぜ中年女性に多いの?
これは、女性は生まれつき骨が細い、    
出産・授乳でカルシウムを大量に消費する、
食が細い(カルシウムの摂取量が少ない)
・・・などの理由があげられます。

それに加えて、閉経後、骨を守る女性ホルモンの分泌が少なくなるために、急激に骨が弱くなってしまいます。
女性は、骨粗鬆症のリスクを男性より多く背負っていると言えるのです。

女性に多いといっても、男性にも骨の老化は起こるので、若いときからの骨によくない食習慣は避けるようにし、骨の老化防止に勤めることが大切です。
また、この病気は「年をとってからの問題だ」と考えがちですが、実は若い頃からのライフスタイルや食生活に大きくかかわっているのです。

<予防のポイント>
カルシウムを十分摂る
適度な運動で骨を鍛える
適度に日光に当たる

★骨のカルシウムは入れ替わっている
骨にはカルシウムが必要だということは良く知られており、毎日カルシウムを十分に摂ることは骨粗鬆症の予防に必要です。

しかし、これには様々な体内でのメカニズムが関与してきます。
骨の重量の約半分はリン酸カルシウムです。これはリン酸とカルシウムが化合した形で存在しています。
リン酸カルシウムは水に溶けにくく、硬い骨ができるわけです。
骨は一回出来上がると、死ぬまで使える物だと思われがちですが、常に壊れたりできたりを繰り返しています。
骨の組織の中には壊す細胞があり、作る細胞もあります。
骨を壊す細胞は、リン酸カルシウムを溶かしながら骨を壊していきます。
溶かし出されたカルシウムは、そのまま血液などの細胞外液へ出ていってしまいます。

一方、壊されるあとから骨は作られていきます。
骨を作る細胞は、カルシウムを使って骨を作りますが、そのカルシウムは細胞外液からもらっています。
したがって、カルシウムが十分摂取されていて、作られる骨と壊される骨のバランスがとれていれば、細胞外液の濃度は一定に保たれ骨の重さや密度は変わらないことになります。
しかし、カルシウムの摂取量が少ないことが長年続くと、このバランスが崩れた状態が続き、少しずつ骨の絶対量が少なくなり、「鬆」が入った状態になるというわけです。 

★骨以外でもカルシウムの働きは重要!
体内のカルシウムの99%は骨と歯に含まれるカルシウムで、その量は、成人男性で約1000g、女性で約700〜800gほどになります。
残りの1%は血液をはじめとする体液や軟組織に含まれ、心臓や脳の働き、筋肉の収縮、ホルモンの分泌、血液の凝固など重要な働きをしています。

血液中のカルシウムが不足すると、腸管内のカルシウムが動員されますが、それでも足りないと、骨からのカルシウムが溶けだしてこれを補います。
血液中のカルシウム量は、生命活動に重要で常に一定量が確保されることが必要です。
これが不足すると、骨はまさに骨身を削ってこれを助けなければいけないわけです。

★副甲状腺ホルモン(PTH)と活性型ビタミンD
体内ではカルシウム代謝に関与する様々なホルモンが活躍しています。
摂取するカルシウムが減ると血液中のカルシウムが減ってきます。
すると、副甲状腺という内分泌器官から副甲状腺ホルモンのパラサイロイドホルモン(PTH)が出てきます。
このホルモンは、骨に働きかけてカルシウムの溶出を促します。

また、このPTHは腎臓に働きかけ、尿中に排泄されるカルシウムを減らして調節します。
それに、PTHは腎臓に働きかけて、活性型ビタミンDを作らせる働きもします。
活性型ビタミンDは、体内では食品からや日光に当たることによって作られ、これは小腸においてカルシウムの吸収を促進させる働きをします。
もし、カルシウムの摂取量が少なくても、この活性型ビタミンDの働きが十分に働いてくれると、吸収が高まり体内にカルシウムがたくさん入ってくることになります。
またこの活性型ビタミンDは、PTHが尿中に逃げていくカルシウムを減らすのを助けたり、骨からのカルシウムの溶出を手伝ったりする働きもします。

このように、体内ではフィードバック制御によって、カルシウム量が調節されていることになります。
ただし、高齢になると小腸の機能低下で、活性型ビタミンDがいくら刺激してもカルシウムの吸収がうまくいかず骨が弱くなります
しかし、摂取されるカルシウムと違い、この課程で血中にカルシウムが増え過ぎることは、逆に動脈硬化との関係が心配されます。

このホルモンの働きが正常な時はいいのですが、PTHの作用が血清中のカルシウム濃度が正常になってもストップせずに、逆に血中カルシウム濃度が増えすぎてしまうと(高カルシウム血症)、増えすぎたカルシウムは血管の壁に張り付き血管壁に溜まって血管を硬くしてしまい、そこへコレステロールなどの脂質が沈着して動脈硬化が起こってしまうと言われています。

これを予防するためには、体内でのカルシウムバランスを崩さないようにすることが必要で、日頃からカルシウム摂取と活性型ビタミンDが不足しないようにすること、それに加えて、十分な「マグネシウム」の摂取が必要です。

★性ホルモンと骨との関係
性ホルモンも骨と関係の深いホルモンです。
特に、女性ホルモンの影響は大きく、閉経後の女性に骨粗鬆症が多いのはこのホルモンが低下することによります。

男性ホルモンの「アンドロゲン」、女性ホルモンの「エストロゲン」は骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きのあるホルモンで、これは「カルシトニン」という、骨からカルシウムが溶け出るのを抑えるカルシウム調節ホルモンの分泌を促し、骨を強く保ちます。

男性ホルモンは急激に減少することはありませんが、女性は閉経によって、女性ホルモンが1/10まで減少してしまい、それに伴ってカルシトニンの分泌も減り、骨からのカルシウムが急激に減少することになります。
同時に「エストロゲン」は、ビタミンDを活性型ビタミンDに変え、腸管からのカルシウム吸収を促進することを促す働きもあるので、閉経後はカルシウムの吸収も弱まることになります。

★最高骨量(ピーク・ボーン・マス)が決め手
一生を通じて最高のレベルに達した骨の量をピーク・ボーン・マス(最高骨量)と呼びます。

成長期には、骨の量(骨のカルシウム量)が急激に増加します。 
これがある時期が来ると一定のレベル以上には増えなくなります。
これは個人差がありますが、だいたい30才代で訪れます。
その時期を過ぎると、骨のカルシウム含量は年平均1%の割合で減ってきます。
このピーク・ボーン・マスが高いか低いかによって、また何歳でそれを迎えるかによって、高齢になった時の骨量に差がでてくるわけです。

ピーク・ボーン・マスを迎える時期以前に、十分なカルシウムを摂取することと、迎えたあとにいかに骨のカルシウムを失わないようにするかが骨粗鬆症を予防するポイントと言えるわけです。

このピーク・ボーン・マスは、「遺伝的要素・男女差」「骨にかかる力」「カルシウムなどの栄養の摂取とホルモン状態」によって決まります。
この中で、男女差については、男性はピーク・ボーン・マスが平均約30%も女性より高く、当然、これによって女性に骨粗鬆症が多くなります。

「骨にかかる力」を強めるためには、日頃から力を使う仕事や運動が必要で、特に体重の軽い女性は骨にかかる負荷量が少ないので、骨量が少なくなりがちですから、ふだんから骨を鍛える心がけが必要です。
一日に3時間も立っている時間がないことが続く生活をしている人は 一日に骨から約100mgものカルシウムが溶けだし、15年間で骨量は半減してしまうことにもなりかねません。

それに加えて、若い時からカルシウム摂取量を十分に摂ることは、このピーク・ボーン・マスを高くすることが出来ると言えるわけです。
反対に、無理なダイエットなどでカルシウムの摂取量が減ることが続くと、高齢になったときには骨はとりかえしがつかない状態になってしまうのです。 

このように ピーク・ボーン・マスが訪れる30代までの間に、どのように好条件を維持することが出来るかが、骨粗鬆症予防の絶対条件となります。

《骨粗鬆症と食事》
★カルシウム
日本人のカルシウム所要量(2005年改定 日本人の食事摂取基準より)
目標量成人男性   650mg     成人女性  600mg  

カルシウムは骨にとって重要で、かつ健康な生活に必要なミネラルです。
カルシウムは体内では作られないので、食べ物として外から摂らなければいけません。
カルシウムは 毎日約200〜300mgは尿や便中に排泄されますので、失われた分は体内に取り入れなければなりません。
不足すると、上記の体内のメカニズムによって、骨からのカルシウムが使われて骨がもろくなることになります。 

成人が一日に必要なカルシウムは600mgですが、日本人の一日の摂取量は所要量に満たないのが現状です。

またカルシウムは吸収されにくいミネラルで、食事からの吸収率は多くても50%、低いときは10%以下にしかならないときもあります。
つまり、吸収の良い食品をとっても、含まれているカルシウムの半分は体外に排泄されてしまうことになります。

毎日の総摂取量を増やすことは勿論、食べあわせや吸収しやすい食品の摂取を心掛けることが必要です。
また、カルシウムは貯めておくことができないミネラルでもあり、一度に必要量よりずっと多くの量を摂っても、尿や便中に排泄されてしまうため、毎日必要量を確保していく習慣が重要なのです。

カルシウムを毎日十分に摂るためには、一日に牛乳をコップ2杯くらい摂るようにし、小魚や緑黄色野菜・海藻類などを適度に取り入れることが必要です。

カルシウムの体内における吸収率
牛乳・乳製品・・・・約50%
小魚・・・・・・・・約30%
海藻・緑黄色野菜・・約20%

《食品中のカルシウムの含有量》 5訂食品成分表より
食品              カルシウム量(mg)
牛乳 200cc          220mg
小松菜 1/4束         130mg
ヨーグルト(無糖) 100g   120mg
春菊 50g            60mg
スキムミルク 大匙3杯    220mg
大根の葉 50g        130mg
アイスクリーム  1個     140mg
切干大根 10g         54mg
チーズ 1切(25g)      157mg
豆腐 150g          180mg
シシャモ  2本        132mg
おから 1/2カップ       40mg
丸干しイワシ 中2尾     228mg
高野豆腐  1枚       132mg
かじか  50g         260mg
納豆 50g            45mg
白す干し(半乾燥) 10g   52mg
利尻昆布  5g         38mg
干しエビ 10g         710mg
乾燥ひじき 10g       140mg
煮干し 10g          220mg
乾燥わかめ  5g        39mg
炒りゴマ 小匙1杯       36mg
アーモンド 30g        69mg

カルシウムはどんな食品を食べるかや、一緒に食べる食品の組み合わせによって、吸収が促進されたり阻害されたりします。

<カルシウムの吸収を助けるもの>
★ビタミンD
ビタミンDは動物性食品から「コレカルシフェロール(ビタミンD3)」として、また、植物性食品から「エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)」として摂取されます。
どちらも肝臓や腎臓で活性化され、カルシウムの吸収に役立ちます。

食品以外にも紫外線に当たることによって、皮膚でコレステロールの合成課程から作られるビタミンD3があり、どちらかというと、体内ではこのビタミンD3の働きがカルシウム吸収に役立っています。
つまり、カルシウムを効率よく利用するためには、食品からのビタミンDの摂取と同時に、戸外でのスポーツや散歩などで、少なくても1日15分程度は紫外線に当たることを心がける必要があります。

ビタミンDを多く含む食品
動物性食品(D3)−−肝油・いわし・かつを・うなぎ・さんま・卵黄
植物性食品(D2)−−乾椎茸(日光乾燥)・強化マーガリン

★乳糖
牛乳に含まれる乳糖は、腸内で発酵して乳酸となり、カルシウムの吸収を高めます。
牛乳にはこの乳糖だけでなく、カルシウム結合蛋白質も含まれていて、牛乳のカルシウムは、他の食品に比べて体内へ取り込まれやすいのです。

★蛋白質
牛乳には、カルシウムの吸収を良くするリジン・アルギン酸というアミノ酸が含まれています。

さらに、カゼインが消化されるときに生じる、カゼインフォスホペプチド(CPP)がカルシウムの吸収を促進します。
「CPP」は、最近工業的にも作られ、効率よくカルシウムを吸収するために注目されています。

それ以外の蛋白質食品もカルシウムの吸収を高めます。
しかし、蛋白質食品の摂りすぎは逆にカルシウム排泄量を増やしてしまいます。
特に、肉類ばかり食べる人は注意が必要です。

★ビタミンK
ビタミンDが、必要に応じて骨から血液中にカルシウムを送り出すのを促すのに対して、ビタミンKは骨からのカルシウムの支出を抑制する働きをします。
また骨の石灰化にも重要で、不足すると骨に十分なカルシウムが取り込まれず骨がもろくなります。
ビタミンKを含む納豆やのり、青菜も摂るようにしましょう。

★ビタミンC・鉄・亜鉛
カルシウムが骨に沈着するためには、蛋白質にカルシウムがくっついて吸収されることが必要なのですが、蛋白質がカルシウムと結合しやすくするためにはビタミンCや鉄・ビタミンKや亜鉛を補酵素とする酵素が必要です。 

<カルシウムの吸収を妨げるもの>
★リン
リンとカルシウムの理想のバランスは 「1:1」です。
現状は、リンは幅広い食品に含まれているため、通常の食事ではほとんど不足することがない他に、最近は食品添加物として、インスタント食品や加工食品・清涼飲料に多く利用されているため、必要以上に摂りすぎている人も多いので注意が必要です。

★塩分
塩分の取りすぎはカルシウムの尿中への排泄を促進させてしまいます。
高血圧や動脈硬化の予防のためにも摂りすぎには注意が必要です。

★その他
ほうれん草に含まれる「蓚酸」・豆や穀類に含まれる「フィチン酸」、それに「食物繊維」、またコーヒーに含まれる「カフェイン」、これらの摂りすぎはカルシウムの吸収を阻害します。

★アルコール・煙草
適度のアルコールは腸管からのカルシウムの吸収に役立ちますが、過度になると腸管からの吸収を妨げます。
またタバコに含まれるニコチンも、腸管からカルシウムが吸収されるのを妨げます。

★マグネシウム
「カルシウム」が骨粗鬆症予防に必要なミネラルとして注目されているのに対して、「マグネシウム」への関心は今一つです。
しかし、カルシウムを体内で正常に働かせるためにはマグネシウムは重要で、骨を作る上でも大切なミネラルです。

マグネシウムは、成人体内に約30mgほどあり、55%は骨中に存在します。
マグネシウムは、カルシウムの血管壁への沈着を防いで動脈硬化の予防をしたり、正常な血圧の維持、骨の強化に貢献しています。
カルシウムとマグネシウムの理想なバランスは、「2:1」から「3:1」で、カルシウム600mg、マグネシウム300mgを一日に摂る目安とします。

しかし、実際にはマグネシウムの摂取量は不足しているのが現状で、カルシウム同様、リンを多く摂ると吸収が妨げられるので、特に肉や加工品・清涼飲料をたくさん摂る人には注意が必要です。
また糖尿病の人も不足しがちなミネラルです。

《食品中のマグネシウムの含有量》 5訂食品成分表より
食品           マグネシウム量(mg)
アーモンド 30g     93mg
さつまいも 100g     25mg
カシューナッツ  30g  72mg
かつを 100g       42mg
大豆  30g        66mg
あおのり   3g      39mg
落花生(炒)  30g    60mg
あずき  30g       36mg
ひじき(干)  10g    62mg
とうもろこし 120g     44mg
納豆  50g        50mg
枝豆  50g        31mg
カキ  70g        52mg
バナナ 100g      32mg
ほうれん草  70g    49mg
ココア   7g       9mg
木綿豆腐 150g    33mg
さんま 100g      28mg
ごま  10g       36mg
あじ  70g       19mg

<骨粗鬆症予防の料理>
鮭と芋のグラタン・・・鮭・ジャガ芋・玉葱・・マーガリン・牛乳・粉チーズ
カボチャのミルクコロッケ・・・カボチャ・牛乳・マーガリン
チーズ春巻き・・・春巻皮・チーズ・焼きのり
ひじきの白和え・・・ひじき・人参・絞り豆腐
いわしチーズ焼き・・・いわし・チーズ・小麦粉・油・塩胡椒
小松菜とちりめんのサラダ・・・小松菜・ちりめん・ゴマ入りドレッシング