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緑黄色野菜の王様。
βカロテンが豊富な人参も和洋中華、様々な料理に使われます。
毎日の食事の中で自然に取り込める栄養は効果も高い。
Daucus carota
carrot(英)
carotte(仏)
人参(和)
旬の季節:初夏~初秋
セリ科の1・2年草。
中央アジア、アフガニスタンのヒンズークシ山脈とヒマラヤ山脈の合流地山麓が原産地。
2000年以上の栽培歴史を持つ野菜で、日本には300年前に渡来し、品種改良が重ねられて現在に至っています。
東洋種と西洋種があり、東洋種は細長く肉質が締まり、にんじん臭が少なく、滝野川、金時(京にんじん)がありますが、滝野川は栽培が難しく、現在はほとんど栽培されていません。
金時は中長型で長さ20cm前後、先が細く赤味が強く、冬期だけ出荷されています。
一方、西洋種は太くて短く、肉質がやわらかく、一般に食されているのはこの種類。
甘みが多く、カロテン臭が強く、通年出回っていますが、初夏から秋に収穫されるものが一番がおいしい。
特殊なにんじんとして沖縄原産の沖縄にんじんがあります。
にんじんの根はカロテンが豊富(ビタミンA効力に換算すると100g当たり4100IU)で、カルシウム、カリウム、ヨード、イオウなどのミネラルや食物センイも豊富です。
葉はカロテン、ビタミンB2、カルシウムが豊富に含まれています。
にんじんのカロテンはガン(とくに肺ガン)予防の効果が高いことで知られています。
血中のカロテン量が多いとガン発生率が低くなるといわれており、積極的に食べたい野菜です。
また、動脈硬化も抑えます。カリウムが血圧を下げ、食物センイがコレステロールを排出するので、高血圧に効果があります。る。
食物センイも豊富なので、便秘が解消され肌荒れにも有効です。
カロテンは皮の部分に豊富に含まれているので、できるだけ皮つきのまま調理に使うとよいでしょう。
また、カロテンは油と一緒に取ると吸収がグンと高まりますので、油と一緒に調理するとよいでしょう。
一方、にんじんにはビタミンC酸化酵素アスコルビナーゼが含まれているため、他の食品のビタミンCを破壊する働きがあります。
酵素なので熱に弱く加熱すれば問題はありませんが、ジュースやサラダなどの生食の時は注意しましょう。
酢や油と一緒になると酵素の働きを抑えることができるので、サラダならドレッシングであえるとよいでしょう。
色が濃いほどカロテンが豊富にふくまれているので、選ぶときには色が濃く皮がなめらかなものを。
首の黒ずんでいるものは古い証拠。
緑がかっているものは、発育中に土の上に出て日焼けしたためで、味が落ちます。
高温以外なら常温で保存が可能ですが、夏場は冷蔵庫で保存すると長く持ちます。
土付きのにんじんは冬場に土中に埋めておくと春まで保存することができます。
そのままでは水分が蒸発しみずみずしさが失われるので、根と葉を切り分けて保存します。
アフガニスタンでうまれた緑黄色野菜の代表的存在。
最近、がんに効くと注目のβカロテンも豊富。
カロテン豊富な根菜
にんじんは、根を食べる野菜の中では珍しく緑黄色野菜です。
オレンジ色の色素はカロテン。
体内でビタミンAに変わります。
緑黄色野菜の中でも、カロテン含有量はトップクラス。
約50グラム食べれば、成人に1日に必要な量のビタミンAがカバーできます。
カロテンの名も、英語のキャロットに由来しています。
【油との相性がよい】
カロテンは油に溶けやすい物質です。
バターや油といっしょに調理すると、カロテンの吸収利用が促進されます。
きんぴらや精進揚げなどは理にかなった食べ方です。
【カラフルなにんじん】
世界各国のにんじんはオレンジ色が一般的です。
しかし、原産地といわれるアフガニスタン周辺に分布している野生種やこれから発達して現在栽培されているものは、白色、黄色、紅紫色、黒紫色などもあり、形も丸いものや長いものなどさまざまです。
五寸にんじん
根の長さが15~20センチ、根の先が丸くつまっているものが多い。
現在の品種は五寸型が主流。
金時にんじん
唯一残っている東洋系。
紅色の肉質は柔らかくて甘みがつよく、にんじん臭さが少ない。
中長型で長さ30センチ前後。
【名前の由来は薬用人参】
中国では胡の国から伝わっただいこんという意味の「胡羅葡(フロボ)」とよばれています。
中国から渡来したにんじんは、日本で古くから知られていた薬用人参と根の形が似ていたので、それと区別して芹人参(せりにんじん)とよばれました。
せりと同じような葉をしていたからです。
それが食用として広く利用されるようになり、いつしか「芹」がとれてにんじんとなりました。
大長にんじん
長さ60~70センチの西洋系。
柔らかく甘みもつよいが、栽培に手間がかかるため、現在は正月料理用などに、わずかにみられる。
【減ったにんじんのにおい】
戦後、日本でも食卓の洋風化にともない、東洋系に代わり、西洋系の「カロチンにんじん」がポピュラーになりました。
最近は、にんじん特有のにおいが少なくなっています。
健康志向とも相まって、「カロテンが豊富で、しかもにおいの少ないものを」という、消費者ニーズにそったためです。
【長さで表わす品種名】
西洋系のにんじんの色はカロテンによるものです。
長さが15センチ前後とこぶりになっています。
日本で分化した品種は、三寸にんじん、四寸にんじん、五寸にんじんというように根の長さをもとに尺貫法で表現されました。
三寸にんじん
早生品種で、長さ10センチほどの円すい形。
生育は早いが収量が少なく、昭和30年代中ころから減少。
今はほとんどつくられていない。
島にんじん
沖縄だけで栽培されている。
耐暑性が強く、色は黄色で30~40センチと細長い。
甘みがあり、煮もの、いためものに。
ミニキャロット
長さ10センチほどで細長い。
ベビーキャロットともいう。
特有のにおいが少なく、甘みがあるので生食用に人気。
丸いものもある。
日本では西洋系が主流
伝統の金時にんじんは東洋系
★アフガニスタンから13世紀にヨーロッパに到達したにんじんは、さまざまな色がありました。
★その後、理由ははっきりしていませんが、しだいに黄色が主体になってきました。
そして15世紀以降、オランダで花開いた品種改良で黄色タイプから、芯までオレンジ色のものが生まれたのです。
これが西洋系の「カロチンにんじん」とよばれるもののはじまりです。
★日本には江戸時代後期にヨーロッパから長崎に入ったものと、ヨーロッパからアメリカを経由して、日本に入ったものとがあり、これらが現在、日本で栽培されているにんじんの主流になりました。
★一方、同じアフガニスタンにふるさとをもつ東洋系は、江戸時代初期に中国から日本に入ってきました。
色も多彩で、細長いものでした。
★現在唯一出回っているのは、関西の金時にんじんで、暮れには関東にも出回ります。
先が細く、深い紅色をしています。
これは京にんじんともよばれます。
全国的には周年栽培
生産量は北海道がトップ
にんじんの生育適温は18~21℃。
地域の気候に合わせ、全国的にみると、周年栽培されています。
全国の生産量は約70万トン。
このうち、北海道が3割を占め、次いで千葉、青森、徳島、埼玉、茨城の順となっています。
秋にんじんは北海道が全国の生産量の8割以上を占めています。
冬にんじんは千葉、埼玉、茨城が、春夏にんじんは千葉、徳島が主な産地です。
羊角にんじんは西洋系の最初
今のにんじんの源は黒田五寸
江戸後期、長崎での栽培記録が残っている”羊角 (ヨウカク)にんじん”は日本の西洋系の最初とされています。
それが長崎五寸になり、現在日本をほぼ制覇している”黒田五寸”や一代雑種の”向陽2号”などの五寸にんじんを生んだのです。
江戸初期に渡来した東洋系は赤・白・黄・紫など多彩でしたが、このうち現在栽培されているのは赤色の”金時にんじん”だけです。
ヘルシーでおいしい
人気のにんじんジュース
最近、カロテンに抗がん作用があることが明らかになりました。
そこで気軽に飲めるヘルシードリンクの流行と相まって、人気をよんでいるのが、にんじんジュース。
レモン汁を加えたりフルーツとミックスして、にんじん嫌いな人にも飲みやすくなっているものなど、メーカーごとに個性がみられます。
風味よし、栄養もいっぱい
にんじんの葉を生かす
夏だけの葉物として、京都を中心に関西ではにんじんの葉が出回ります。
小指大くらいの根に20センチほど若葉が伸びたものや根の肥大していないものを収穫するのです。
地元で「にんじん菜」「葉にんじん」とよばれているこの若葉には、根の2倍以上もビタミンAが含まれ、ビタミンCやカルシウムも含まれます。
風味があり、油いためやおひたし、あえものに利用されています。
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