マクロビオティックに生きる
心と身体と環境のバランスと健康にマクロビオティック!

食事の基本・量とスピード

食事は、健康を維持し、成長し、生命維持や運動の機能を高めるための基礎となる大変重要な役割をもっています。
食物の質や栄養素によって身体の質も決定づけられてしまいます。
その大切な身体の質を高めるために、以下のような理由により、できるだけ外食より家庭料理を勧めます。

一般に家庭料理で使う食材は、比較的良質な物を選びます。
しかし外食店の多くは食材の質より原価を重視します。
生産法、農薬、化学物質などはあまり気にされません。
利益を得るためには食材にかかる費用を出来るだけ少なく抑える必要があるからです。
私達は外食をするとき、視覚から入る情報で選ぶことになります。
そして、また再びその店または料理を選ぶかどうかは味で決まります。
そのために外食店では、見た目や味を重視して、栄養のバランスや質を犠牲にすることが多くなります。
さらに付け加えれば、人の身体の状態は一人ひとり違うものですが、食事は、その身体の状態に合わせて摂るべきだと思うからです。
それは日によっても時間によっても違うでしょう。
一日に何十人も何百人もの人に料理を出さなければいけないレストランでは、一人ひとりの身体の状態に合わせて食材を選び、調理をすることはしたくても不可能です。
最大公約数的な料理になるのは仕方のないことです。
お客様の好みに合わせられるのは、せいぜい、味の甘辛くらいのものでしょう。

食事は、自分が必要とする栄養を補う大切なものですから、自分で自分の身体と相談しながら料理を決めなければなりません。
食材の性質、調理法の特徴と自分の体の状態を常に比較しながら、総合的に判断して料理を作ること。
それが出来るのは家庭料理しかありません。
時間はとても掛かりますが、昔の家庭ではじっくり時間をかけて調理したものです。
まさにスローフードと言われる所以です。
そのための知識として食材の性質とか、調理による栄養の変化などを教えているのが、マクロビオティック料理法です。
すべての人に合う料理というのはありません。
食材も同様です。
好き嫌いは別としても、身体に合わない、受け付けない食材もあります。
そんなものを無理やり食べるのは、いくら栄養価が高い食品といっても良くありませんね。
その性質を理解して、うまく組み合わせて自分にあった料理を見つけ、過剰も過少もなく栄養を摂り入れていくべきです。
食事は、腹八分目がいいと昔からよくいわれます。
食べ物というのは、適切な量を食べた時、最も良く消化でき、大切な栄養素の吸収率も利用率もベストになります。そして、体内に余計な老廃物を残すことも少なくなります。
このことが身体への、特に内臓へのストレスを軽減し障害を起こしにくくします。
適切な量は、日によって、体調によって、気分によって、季節によっても変化していきます。
健康な人は食欲の感覚も正常ですので、自分の感覚で程よい量にしていけばいいのです。
健康でない人は、医師や管理栄養士などの専門家に相談すべきです。
朝、目覚めてすぐ、など、消化器の受け入れ態勢が整っていないのに、無理に詰め込むようなことをすると、消化不良になり栄養にならずに大半が老廃物になります。
また、内臓にも大きな負担を強いることになります。
したがって、食事は食欲のある時に身体の要求に従って食べるということが原則です。

朝食を摂ったほうがよいという意見と、摂らないほうがよいという意見があって、しばしば論議を呼びますが、バランスよく栄養を摂取、吸収するという観点からは、基本的には摂ったほうがよいと思います。
寝起きで消化器官の動きが鈍いなら、時間をずらすとか、散歩など軽い運動するなど、工夫をしてみたらよいと思います。
食欲がないのに無理に詰め込むのは絶対によくありません。
ただ、三度の食事を規則正しく取れないのは、やはり健康的とはいえないので徐々に改善すべきと考えます。
慣れてくれば、朝食もおいしく食べられるはずです。
普段、あまり朝食をとらない人でも、温泉旅館での朝食はおいしく、いつもの倍以上も食べた経験は誰にでもあると思いますが、朝食でもそのようにおいしく食べられることが健康な状態なのです。
温泉旅館での状態と、普段の状態とでは、どこがどう違うのかよく考えてみてください。
味がよく分からない、とか、食欲が無い、などというときは要注意です。
そんなときは、おかゆなどのごく軽い、消化の良い食事で済ませるようにします。
食事を摂らないという選択もありえます。
ただし、それは身体が危険な信号を発しているときですから、病院でよく検査して原因を突き止めておくべきですね。
自分では異常が思い当たらなくても身体は実に正直です。
自分の身体の訴えに正直に反応してください。
そしてそんな時、簡単に消化薬などの薬に頼らないほうがいいですよ。
薬は副作用があり、肝臓にも負担をかけますが、特に胃腸薬には危険な化学剤が入っているものが多いといわれています。
ただでも、身体が悲鳴を上げたときは、内蔵のどこかが傷んでいるか弱っているときですから、それ以上に負担を強いることは避けるべきです。
ご飯などの炭水化物も、食べると太るからという理由で避ける人がいますが、これも誤った情報によるものでしょう。
主食と副食を明確に分け、なおかつ、主食に麺やパンではなく、粒々の米などを食べる習慣は日本古来の独特のものですが、現代ではこれが健康にも肥満防止にもつながるということで、世界中に認められ始めています。
食事は、ゆっくりよく噛んで楽しく食べると消化が良く、消化器の負担も少なくなります。
また、唾液が良く出て、食物の中の有害な物質や病原菌を殺菌、破壊して身体を守ります。
そして、噛むことによる刺激が脳に伝わって内臓の機能を活発にし、食事の量も自動的にコントロールされ食べすぎを防ぎます。
食事を摂って満腹感を感じるまでには、ある程度の消化のための時間が必要ですから、その時間を待つためにも、人と楽しくおしゃべりしながら、ゆっくり食事をすることが大切です。
人は快適な感情が働いているときは、自律神経とホルモンのバランスが整い、循環と代謝が活発になり、臓器全体の機能が上がります。
それに伴い、胃腸のぜん動運動が活発化し、消化液の分泌も盛んになり、消化・吸収がとてもスムーズになります。ですから、複数の人たちと楽しく食事をすることで消化が促進されます。
ところが、イライラや心配事などを抱えながら、不快な感情のまま食事を摂ると、消化器をはじめ、臓器のすべてが機能低下を起こします。
そのため、消化も吸収も悪くなり、栄養の利用率も下がります。

また、頭をフル活動させながらの食事は消化・吸収を悪くします。
頭脳活動を活発に行っているときは、他の器官に充分な血液を回すことが出来ません。
特に、消化器官はお休み状態になります。食事の時は、リラックスした状態でおいしく楽しく食べることが、食物の処理にたくさんのエネルギーを振り向けることになり健康増進につながります。
肥満や胃腸障害、その他の生活習慣病を抱えている人の大半は食事のスピードが早すぎる人です。
特に食べる速度が早い人に肥満が多いのは、満腹感を感じる前にどんどん食事が入って食べ過ぎるということもありますが、次から次と絶え間なく食べ物が体内に入ってくると、人の身体はそれに反応して、先に入ってきた食べ物を早く消化して貯蔵しなくてはならないと思い、栄養として吸収する前に保存しようとします。
外見は太っていない場合でも、内臓脂肪として蓄え、糖尿病などの生活習慣病を引き起こします。
大食い、早食いは、単に自分の命を縮めるだけです。
若いうちは、消化器官の運動も活発でそれにも耐えて頑張ってくれますが、年齢とともに内蔵も運動量が落ち力も減衰して、やがてそのスピードと量に耐えられなくなります。
しかもそれらは、症状が表面に出やすい胃腸だけでなく、悲鳴を上げることの少ない肝臓や膵臓をも攻撃し、気がついたときには手遅れということもよくあることです。
日常の習慣的、継続的なこのような食事のとり方は、知らず知らずのうちに健康を蝕み、重大な結果をもたらします。
生活習慣病として恐れられる理由は、ボディブローのようにじわじわと効いてきて、最後には立ち上がれないほどのダメージを受けるところにあります。

規則正しい食事の大切さ

遠い昔から人は、「昇る太陽と共に目覚め 沈む太陽と共に眠る」という生活を営んできました。
でも、”夜更かしや朝寝坊”が当たり前のようになってきている現代では、その生活のリズムの乱れは、「朝食抜き」「仕事をしながらの昼食」「遅い夕食」といった不規則な食生活を産み出し、それにストレスや運動不足が加わって、その結果、糖代謝異常(糖尿病)・高血圧・高脂血症・肥満と言った「生活習慣病」の増加に繋がってきています。

また、育ち盛りの子供達にも、「朝食を食べない」「間食のだらだら食い」などが増え、生活習慣病の危険が広がってきています。 以前は「成人病」と呼ばれていたものが、「生活習慣病」と改められたのは、それらの病気が子供達にも広がってきたからです。
人間の体は、日中働いて夜は休むというリズムで動いているので、それに逆らうといろいろな支障がおこります。
人の身体は24時間を1サイクルとしてリズムを刻んでいて、そのリズムが狂うとホルモンバランスが崩れ、身体に異常をきたす懼れがあると言われています。
例えば、メラトニンという眠りを誘うホルモンは脳の松果体から分泌されていますが、日中はあまり分泌されず夜に分泌量が増えます。このホルモンには抗酸化作用の働きもあると言われています。
このことを無視して夜更かしすると、ホルモンの分泌のタイミングを狂わせたり、量に影響を与えて、血管や内蔵も含めて体全体の老化を早めてしまいます。

「夜遅くに夕食を摂ってすぐに寝る習慣の人は、肥満になりやすい」と言われます。
これは、エネルギー消費の少ない夜間に次の日のエネルギーを貯えようと、寝ている間に中性脂肪の合成が燃焼より活発になり体脂肪が増えるためです。
寝る3〜4時間前には食事を終え、夕食のエネルギーを消費させることが肥満の防止に繋がります。
また、食べてすぐ寝ると胃の中に消化されないままで食べ物が残って胃もたれの原因にもなり、朝御飯が欲しくなくなったり、おいしく食べられなかったりして「朝食抜き」の原因にもなりかねません。
だからといって、夕食を極端に減らすと、充分な栄養の補給が出来なくなりますので、やはり量はしっかりとってエネルギーを消費させる方が身体にとっては健康的です。

朝食は1日の原動力となる食事で、「朝食を抜くとエネルギーが不足の状態で活動しなければならない」ことになります。
エネルギー不足は脳の活動にも当然影響しますので、仕事や勉強の能率低下に繋がります。 
特に、ブドウ糖を唯一のエネルギー源にしている脳では、朝食でブドウ糖の補給ができないために活動が不十分になります。
ブドウ糖を最も効率よく吸収できるのは砂糖であることは周知の事実であり、摂り過ぎると害の多い砂糖でも、必要な量を摂らないと脳の発育や活動を鈍らせることになります。
一部のマクロビオティックで、「砂糖は摂ってはいけない」と言われているようですが、これは言い方の誤りであろうと思われます。
正しくは、「砂糖は必要以上に摂り過ぎてはいけない」でしょう。

「1日2食にすると太りやすい」のは、おなじエネルギーを3回で摂るのと2回に分けるのでは1回のエネルギー量が2回の方が多くなるからです。
1回ごとに余ったエネルギーは脂肪として蓄えられます。 
それに、食事の時間が不規則となると、いつ来るかわからない飢餓状態に備えるために、体はできるだけ「脂肪にして貯えておこう」とするようになります。
また、1回の量が多くなると、一度にたくさんのインスリンが必要になり、糖代謝異常(糖尿病)に繋がります。
1日のエネルギーは、少なくとも3回以上に分けて摂ることが肥満や糖尿病の予防になると言えます。
食事と食事の間は、消化の時間のことも考えると3時間以上は空けたほうがよいでしょうし、仕事や生活のことも考え合わせると、1日に5食も6食もというのは無理がありますので、3回程度が実現可能な妥当な回数でしょう。
食事のときには、活動源となるエネルギーや体を作る蛋白質だけでなく、体に必要な抗酸化物(代表的なものではビタミンA・C・E・カロチン・ポリフェノールなど)も摂ることになりますが、これらが血液中で増え活性酸素から体を守るようになるには時間差があるので、定期的に補給が必要です。
このようなことから、1日の食事は「遅い夕食を避けて、規則正しく3食を摂る」ことが重要で、さらに1食毎に”主食・主菜・副菜を揃えて摂る”ことが健康に繋がり、生活習慣病や老化を予防することになると言えます。