さつまいも

Ipomoeabatatas Sweet  potato(英)
Patate(仏)
甘藷(和)

土地を選ばず高収量。
いま健康食品。
繊維もビタミン類も豊富。
幅広い用途を誇る

本籍中米、現住所はアジア
かんしょの原産地は中米。アジアへ到達したかんしょは、栽培が容易で生産力も高く、現在世界の生産量の9割をアジアが占めています。
日本への伝来には諸説がありますが、1600年ころに入り、南九州を中心に普及しました。
蘭学者・青木昆陽が全国への普及を奨励したといわれるのは、18世紀前半、八代将軍吉宗のころです。
土壌を選ばず、栽培が容易なため、18世紀中ころには武蔵野台地にも導入されました。
その中心が現在の川越市周辺といわれています。

【女性はやきいもが好き】
石やきいもは水を使わず、小石(礫)を熱して焼きます。いもの持っている水分で調理されるので、おいしく食べられます。
かんしょはビタミン類や食物繊維を多く含んでおり、ビタミンCはりんごの6倍も。
加熱しても6割がこわれずに残ります。健康食品で、便秘解消にもひと役。

ベニアズマ
皮は濃赤紫色、中は濃い黄色。繊維が少なく甘みがつよい。
菓子など加工用にも需要が多い。つくりやすく味がよいので、人気上昇中。

高系14号 (こうけい)
西日本で人気が高く、早堀りに向く品種。
紡錘形で紅色の皮は厚いが中は淡黄色でやや堅い。
甘みがつよく、やきいもにすると美味。

【冷蔵庫がきらい】
かんしょは高温を好むため、関東以西が主産地で、9~11月が出荷のピークです。
生産量では鹿児島がトップ。
貯蔵いもは、水分が少なめで、甘みが濃くなっています。
保存適温は13~16℃。
冷蔵庫に入れると腐りやすいので、適温で保存しましょう。

【なぜ十三里半なの?】
ホクホク甘いやきいものことを「九里四里(栗より)うまい十三里半(9+4=13)」といいます。
江戸の昔から、武州川越あたりはおいしいかんしょの産地でした。
そこにやきいも屋ができ、評判になりました。
川越が江戸から十三里半の距離だったので、やきいも屋のことを「十三里半」とよび、この両方をかけてかんしょを十三里半と言うようになりました。

ベニハヤト
栽培品種の中で随一を誇るカロテン含有量。
皮は赤紅色、中は鮮やかなオレンジ色。
スナック菓子などの加工原料にも。

コガネセンガン
南九州で栽培される品種。
形はズングリ、味はホクホク。薄い皮、中ともに黄白色。
食用のほか、でんぷん、焼酎の原料にも。

【世界の生産量の8割は中国】
日本でのかんしょの用途を大別すると、食用が5割、でんぷん・アルコール原料用が3割、飼料用その他が2割となっており、
最近では市場に出回る量が増加しています。
中国では世界の8割以上を生産していますが、飼料用が多いのが特徴。
中国や東南アジアでは、野菜としてつるや葉も食べます。

山川紫 (やまかわむらさき)
海外からの導入品種で、鹿児島県山川地方で栽培。
色の濃い紫をいかしてアイスクリームなど洋風加工食品の材料に利用。

紅赤 (べにあか)
金時ともいわれ、関東を代表する品種。
埼玉県川越市で明治31年に発見された。
皮が厚く、中は鮮やかな黄色。粉質で甘みがある。

かんしょの壮大な旅

「コンチキ号探検記」が謎を解明
★中米で生まれたかんしょは、アメリカ大陸に渡ったコロンブスによって持ち帰られ、世界に広まったといわれますが、それ以前に原産地から南太平洋の島々に伝わっていたともいわれます。
★でも、はるばるどのようにして?
★その謎を解く働きをしたのが、ノルウェーの探検家ヘイエルダールが著した「コンチキ号探検記」です。
★かれは1947年、古代のいかだと同じものを作り、南米ペルーから太平洋を漂流する探検に出発、102日かかってタヒチに到着しました。
この探検は、南米人が海を渡っていたことを実証する形となりました。
★かんしょも、そうした人たちの手で運ばれていた可能性が高いのです。
★一方、ヨーロッパに渡ったかんしょは東回りでアフリカ、インド、中国へと広まり、日本へは1600年ころ琉球、鹿児島へと伝わり、凶作のときにも収穫できる作物として全国へ広がっていきました。
★からいも、さつまいもは、伝播の途中でつけられたかんしょの別名です。

宇宙食にぴったり
NASAでの品種改良も進む
アメリカ航空宇宙局NASAでは宇宙船や宇宙農場で栽培できる作物として稲、麦、いもなどの研究に力を入れてきましたが、かんしょがもっとも有望になってきています。
環境への適応力が強く、丈夫で早く育ち、いもだけでなく葉や茎も食べられる、そのうえビタミン類を多く含み、栄養も豊富なかんしょは、完全なリサイクルを要求される宇宙食としてはぴったりとのことです。

マオリ属の伝統食「クマラ」
20年ぶりに里帰り
10世紀ころ南太平洋の島からニュージーランドへ渡来したマオリ族。
その主食はかんしょ(現地語でクマラ)でした。
近年、マオリ族の伝統的な祭りに使うクマラの品種はすでに消滅してしまいました。
ところが、つくば市にある農業研究センターにその種いもが20年間保存されていたのです。
昭和63年に、マオリ族の長老が日本を訪れ、種いもの里帰りの儀式が行われました。

意外にかんたん植え方増やし方
日本ではかんしょの種いもを苗床に伏せ込んで、伸びたつるを切って苗にしています。
切りそろえたつるを1本ずつ、盛り上げたうねに植え込むと、1週間前後で根が出てきます。
窒素肥料や水分が多すぎると茎葉ばかり繁り、いもが大きくなりません。

かんしょは、手がかからないのがいいところ。
若い人に人気

かんしょのお菓子アレコレ
昔は秋のおやつにふかしいも。
いまは、新顔が続々登場中です。
川越の名物、いもせんべいは、かんしょを薄く切り、焼いて砂糖を引いたもので、パリパリした歯ごたえです。
蒸して乾燥させた蒸し切りいもは、昔ながらのヘルシーおやつです。
スイートポテトやいもようかんは若い人にも人気。
山川紫を使った紫・バニラ2色のソフトクリームもでています。


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